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2002年の活動記録

❖2002年11月30日(土)
フランス6人組/豊かな諧謔

主催:ミモザ/後援:フランス大使館文化部

  • ダリウス・ミヨー/フラテリーニのタンゴ
  • ダリウス・ミヨー/ブラジルの郷愁
  • ルイ・デュレ/無言歌
  • ジョルジュ・オーリック/おとめの湖
  • アルチュール・オネゲル/ショパンの思い出
  • ジェルメンヌ・タイユフェール/ロマンス
  • ジェルメンヌ・タイユフェール/シシリエンヌ
  • フランシス・プーランク/ナゼルの夜会

曲目の解説

1.ミヨー フラテリーニのタンゴ
コクトーの台本によるバレエ「屋根の上の牡牛」(1919年)の中の最も有名な部分で、管弦楽でもよく演奏される。彼はブラジルに2年過ごしたがリオのカーニヴァルを念頭において作られたという。祝祭的で華麗な魅力にあふれている。

2.オーリック 乙女の湖よりレントラー
オーリックは1930年代にはいると多くの映画音楽を手がける。乙女の湖は3つのピアノ曲が出版されていて、これは第1曲である。レントラーというよりワルツをつなげた音楽であるが、明快な旋律と和声の骨組みに近代的付加音がアクセントをつける素敵な曲。

3.デュレ 無言歌
最年長者デュレは地味だが、良い仕事をしている。「6人組のアルバム」にのせた「無言歌」にも地味だがほのぼのとした暖かさがあり、和声方には一部ラヴェルの影響も感じられる。

4.オネゲル ラヴェル讃
1915年11月作曲「3つの小品」の2曲目。教会旋法的な美しい和声と線のからみが、アルカイックである。「パヴァーヌ」や「クープランの墓」の作者への見事な

5.オネゲル 7つの小品より第7番
「7つの小品」(1919年~20年)の終曲は、アール・カサドジュにささげられた。激しい曲で「パシフィック231」いろいろな交響曲のアレグロ楽章を想起させる。晩年の彼は「悩める人道主義者」のイメージが強すぎるが、若い頃の彼はスピード好きで、健康なスポーツマンであったことを思い出させる。

6.タイユフェール 「シシリエンヌ」
6人組の紅一点テイユフェールはコクトーに「耳のローランサン」と呼ばれたが、彼女自身友人ドローネやピカソらの絵画にひかれ、絵筆を取ったこともある。1926年にであった最初の夫、ラルフバートンも画家で、この曲は彼にささげられている。やや骨太でいきいきした舞曲。

7.タイユフェール 「ロマンス」
1924年作。ややメンデルゾーンの無言歌風だが、優しい女性的な感性と細やかな和声のニュアンスが美しい。

8.プーランク 「15の即興曲より1番7番12番13番」
生涯のいろいろな時期に書かれた15の即興曲は自由で気取らず、彼の素顔の魅力がうかがえる。華麗で、協奏曲のように始まる第1番は1932年作。端正で人気の高い7番は1933年作。シューベルト讃と書かれた12番は早く生き生きとしたレントラーのようだ。13番は、晩年の作だが美しいイ短調のたっぷりした歌が聞かれる。

9.ミヨー 「ブラジルの郷愁よりコルコヴァード ガヴェア」 
「ブラジルの郷愁」(1920~21)は彼の2年間のブラジル滞在の生んだ名作。タンゴのリズムを使っているが、旋律は彼の創作で、複調の魅力が生きている。「コルコヴァード」はしなやかな旋律が魅力。「ガヴェア」は華麗で重厚で官能的だ。

10.プーランク 「ナゼルの夜会より」
1936年作。「ナゼルの夜会」は彼の叔母のサロンに集まってくる人々の描写が組曲を構成する。はなやかな「前奏曲」自由なカデンチツァに続きスケルツォ風の「分別の極み」8分の6の歌が発展する「手の上の心臓」悲しみの歌が続く「不幸な味」そして再び自由な「カデンツァ」から華やかな「終曲」で締めくくる。

❖2002年10月30日(水)
北園克衛 生誕百年記念コンサ-ト

無事終了、ありがとうございました。ジャズ喫茶「新宿ピットイン」にて。

ジャズピアニスト山下洋輔氏の演奏もあり、大変盛況でした。

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