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2014年の活動記録

❖第22回神武夏子ピアノリサイタル「かむながらにVII」

※イメージをクリックするとPDFでダウンロードできます。

主催:ミモザ/後援:Association des Amis de Francis Poulenc(フランス プーランク協会)、YAMAHA銀座店
※お問い合わせ・チケット申込み:オンラインフォーム/03-3428-5794(FAX)

当日の模様

 

今回、第2部の最終曲となった「白鳥」ですが、ご好評につきフルバージョンを公開します。

1つ目は本プログラム中で演奏したバックトラックつきのElectronic ver、2つ目はアンコールで演奏したフルートとピアノのみのAccoustic verとなります。

どうぞお楽しみください。

第2部最終曲「白鳥」(Electronic ver)

同上(Acoustic ver)

プログラム

第1部 エリック・サティ

  • グノシエンヌより
  • 最後から2番目の思想より
  • 乾からびた胎児より
  • 金の粉
  • エンパイア劇場のプリマドンナ
  • スポーツと気晴らしより

第2部 古事記 中巻

  • 第十代崇神天皇
    • 三輪山の神
    • 四道将軍
  • 第十一代垂仁天皇
    • 沙保姫の死
    • 物言わぬ御子
  • 第十二代景行天皇
    • 倭建熊曾を伐つ
    • 倭建出雲を伐つ
    • 倭建東国を伐つ
    • 望郷歌
    • 白鳥

神武夏子:朗読、作曲、ピアノ演奏
齋藤歩:サウンドクリエイター、フルート、作・編曲
ユニット「倭音」」(河田為雄・塩谷浩美):スーパーバイザー

コンサートによせて

今回の「フランス6人組の音楽」は、6人の精神的な師ともいえるエリック・サティをとりあげる。40年ほど前サティを再発見する試みが行われて以来、テレビ、映画、カフェなど様々なところでサティを聴くことができるようになった。あの偏屈だったサティは自分の音楽がこんなにもポピュラーになったことを、天国でいったいどのように思っているのだろうか。サティを初めて弾いた頃、そのシンプルさ音の少なさに驚かされた。それなのに、その音からは静かで神聖な世界が広がっていく。私は一瞬にして魅惑されてしまった。そしてサティの楽譜を開くと、これがまたユニークである。なんと音符の行間に言葉(詩と言っていい)が記されているのだ。今回はその詩をピアノ演奏とともに表現してみようと思う。

「古事記」は神武天皇の後の欠史八代を経て、第十代崇神天皇の王権確立と第十一代垂仁天皇の后、サホビメの悲劇を描く。そして第十二代景行天皇の御子、ヤマトタケルの悲劇の人生を語る。古事記の中でも私は特にこのヤマトタケルに想い入れがある。父からほとんど追放されるように戦いの遠征に出された哀れだけでなく、ヤマトタケルの歌からみても一流の歌人であったことがわかる。ヤマトヒメ、オトタチバナヒメと女性に助けられながら戦い続ける悲劇のヒーローは、最期に故郷の大和を想いつつ、その想いの強さゆえか白鳥になって天を翔けて飛んでゆく。あまりに美しい。

神武夏子

プロフィール

神武夏子(ピアノ)

武蔵野音楽大学音楽学部ピアノ科卒業。フランス留学後、サティとフランス6人組の音楽に出会い、1999年、プーランク生誕100周年記念コンサートを主催。現在、リサイタルを中心に、サロン・コンサート、NHK‐FM「名曲リサイタル」出演など、さまざまなかたちでサティとフランス6人組の音楽を紹介するほか、詩人の藤富保男氏と、ピアノと詩の朗読による「詩を奏でる」を各地で公演。2002年、CD「café des six」、2006年、CD「café Poulenc」を発表。

齋藤歩(フルート、サウンドクリエイター)

国立音楽大学付属高等学校を経て、国立音楽大学フルート専攻を首席で卒業。国立音楽大学卒業演奏会、読売新人演奏会に出演。第5回日本アンサンブルコンクール室内楽部門、優秀演奏者賞受賞。2000年、2005年、2009年にモーツァルト青少年管弦楽団首席奏者としてオーストリア公演に参加。日本モーツァルト青少年管弦楽団、モーツァルト・カンマー・オーケストラ首席フルート奏者。現在はExtasyBoxのフルート奏者として活躍。またDTMによる楽曲製作など幅広く活動中。

❖第21回神武夏子ピアノリサイタル「かむながらにVI」

※イメージをクリックするとPDFでダウンロードできます。

主催:ミモザ/後援:Association des Amis de Francis Poulenc(フランス プーランク協会)、YAMAHA銀座店
※お問い合わせ・チケット申込み:オンラインフォーム/03-3428-5794(FAX)

当日の模様

プログラム

第1部 ダリウス・ミヨーの世界

  • フラテリーニのタンゴ
  • ボヴァリー夫人のアルバム
  • 世界の創造

第2部 古事記 中巻

  • 神武天皇
    • 東への道
    • 征旅の歌
    • 七乙女
    • 狭井河の歌

神武夏子:朗読、作曲、ピアノ演奏
齋藤歩:サウンドクリエイター、フルート、作・編曲
ユニット「倭音」:スーパーバイザー

コンサートによせて

今回の「フランス6人組」は、没後40年を迎えるダリウス・ミヨー(1892-1974)をとりあげる。南仏プロヴァンス生まれで、幼少よりヴァイオリンを習い、パリ音楽院でヴァイオリニストを目指すが、次第に作曲を学ぶようになる。1917年、文学者ポール・クローデルの外交官秘書としてブラジルに滞在し、南米のリズムに強く惹かれ、このリズムはミヨーの特徴になる。またバッハからヒントを得て多調性の研究に取り組み、これもミヨーの作風の重要な要素である。帰国後、6人組のもととなった「土曜会」は、ミヨーのアパートで開かれ、若い作曲家たちは友情を育てていった。ミヨーは驚くことに、「屋根の上の牡牛」「スカラムーシュ」など、生涯で400以上の作品を精力的に作り上げた。今回の「世界の創造」は、ブラジルからの帰りニューヨークに寄った時にふれた、ジャズのリズムがふんだんに使われたすばらしい曲である。幼少の小児麻痺、その後のリュウマチ、ユダヤ人であったため戦争中はアメリカに亡命するという、多くの苦悩がありながら、家族に恵まれた幸福な人間とミヨーは語る。人間としての器
が大きい、根っからの明るさが作品にも現れていて、その音楽はいつも私を元気にしてくれる。

「古事記」はいよいよ中巻に入り、カムヤマトイハレビコノ命(神武天皇)が高千穂から出て、多くの戦いを経て、ついに大和に宮殿を築き大和を平定して天下を治める話から始まる。戦いのなか兄を失い、ピンチには天つ神の助けを得て勝利していくが、多くが歌によって語られていく。神武天皇とはどのような人であったのだろうか。より良く天下を治めるために、きびしい戦いに立ち向かった武勇に長けた人。文中に部下を気遣う場面が描かれているように、天下人としての大きな心を持った人であったと思う。そして神武天皇が亡くなったあとは、長男の陰謀を切り抜けた末っ子のタテヌナカワミミノ命(第二代綏靖天皇)が即位する。神武天皇、綏靖天皇ともに、実在しないとされている。どちらにしても、日本の国を創り上げた初代に関わるお話として、大いにロマンを掻き立てられる。その雄大さを表現できればと思う。

神武夏子

プロフィール

神武夏子(ピアノ)

武蔵野音楽大学音楽学部ピアノ科卒業。フランス留学後、サティとフランス6人組の音楽に出会い、1999年、プーランク生誕100周年記念コンサートを主催。現在、リサイタルを中心に、サロン・コンサート、NHK‐FM「名曲リサイタル」出演など、さまざまなかたちでサティとフランス6人組の音楽を紹介するほか、詩人の藤富保男氏と、ピアノと詩の朗読による「詩を奏でる」を各地で公演。2002年、CD「café des six」、2006年、CD「café Poulenc」を発表。

齋藤歩(フルート、サウンドクリエイター)

国立音楽大学付属高等学校を経て、国立音楽大学フルート専攻を首席で卒業。国立音楽大学卒業演奏会、読売新人演奏会に出演。第5回日本アンサンブルコンクール室内楽部門、優秀演奏者賞受賞。2000年、2005年、2009年にモーツァルト青少年管弦楽団首席奏者としてオーストリア公演に参加。日本モーツァルト青少年管弦楽団、モーツァルト・カンマー・オーケストラ首席フルート奏者。現在はExtasyBoxのフルート奏者として活躍。またDTMによる楽曲製作など幅広く活動中。

❖『ふらんす』(白水社)2014年3月号のプーランク特集に寄稿させていただきました

フランス語学習、フランス語圏文化に関する雑誌『ふらんす』(白水社)2014年3月号の特集「異彩の楽才 プーランク」に、久野麗さん、小沼純一先生とともに、長年フランス6人組に取り組んできた演奏家から見たプーランクの音楽についてのエッセイを寄稿させていただきました。

昨年はプーランク没後50周年ということもあり、コンサートでも特にプーランクを取り上げることが多かったように思います。よろしければこのエッセイもご覧になってください。

→白水社『ふらんす』紹介ページ

❖第20回神武夏子ピアノリサイタル「かむながらにV」

※イメージをクリックするとPDFでダウンロードできます。

主催:ミモザ/後援:Association des Amis de Francis Poulenc(フランス プーランク協会)、YAMAHA銀座店
※お問い合わせ・チケット申込み:オンラインフォーム/03-3428-5794(FAX)

当日の模様

プログラム

第1部 フランシス・プーランク

  • 3つの小品
    • パストラル
    • 賛歌
    • トッカータ
  • ダリウス・ミヨー
    • 春Ⅰ
    • 柔らかいキャラメル
  • ジェルメンヌ・タイユフェール
    • フランスの花
    • アラベスク(フルートとピアノ)
  • アルチュール・オネゲル
    • ロマンス(フルートとピアノ)
  • ジョルジュ・オーリック
    • アリア(フルートとピアノ)

第2部 古事記 上巻

  • 木花之佐久夜姫(コノハナノサクヤビメ)
  • 海幸彦山幸彦 綿津見の宮
  • 豊玉姫(トヨタマビメ)の歌

神武夏子:朗読、作曲、ピアノ演奏
齋藤歩:サウンドクリエイター、フルート、作・編曲
ユニット「倭音」:スーパーバイザー

コンサートによせて

フランス6人組ができたのが、1920年のパリである。第1次世界大戦が終わり平和が訪れ、それまでの価値観が崩れ去り、新しい芸術がいっきに花開いた。第2次世界大戦が始まるまで束の間の、「祝祭と狂乱の日々」と呼ばれた、芸術にとっては大変に幸せな時代であった。その時代のパリを想像するだけで、わくわくしてしまう。

カフェ、様々なサロン、ユイガンス・ホール…そこに集まったのは、サティ、コクトー、ピカソ、アポリネール、ディアギレフなどなど、もちろん6人も。パリにスキャンダルを起こしたサティ、コクトー、ピカソによる現実主義的バレエ「パラード」も、こんな中から生まれたのだろう。もう少し覗いてみれば、ダダイスムを提唱したツァラとブルトンがしかめっ面をして、何か熱く議論している。まるで自分たちが世の中を変えてしまえると空想しているよう。

いっぽうミヨーのアパートで開かれていた「土曜会」。この小さなサークルに集まったのは、6人の他にもアンリ・ソゲ、ラディゲ、ユーゴーなどなど。彼らは、お互いに作品を披露したり、夕食を楽しんだり、サーカスやモンマルトルの夜店に行ったり。彼らは、思想したり、審美したりなどしない。そこから生涯変わらぬ友情が生まれ、家族的作風が生まれた。これが6人組の音楽である。

第2部の古事記は、いよいよ今回で上巻が終わる。前回はアマテラスオホミカミの命令によって、ニニギノ命が天孫降臨したお話で終わったが、今回はそのニニギノ命がコノハナノサクヤ姫と出会い、死のない神の子孫に寿命が与えられるという話から始まる。そしてこの2人の子供、兄のホデリノ命、弟のホオリノ命の対立、いわゆる海幸彦山幸彦が描かれる。兄から無理難題をおしつけられた弟ホオリノ命は、綿津見の宮へ旅立つが、これは民話「浦島太郎」の元になっている。海神から知恵をさずかったホオリノ命は、兄を懲らしめて、海神の娘トヨタマ姫を得て、山と海の両方の力を獲得するのである。この兄弟対立の話は、現代でもよくあることで、大昔から繰り返されている因縁とでもいうのか。高千穂に繰り広げられる日向三代のお話である。そしてこのホオリノ命の孫が、神武天皇である。

神武夏子

プロフィール

神武夏子(ピアノ)

武蔵野音楽大学音楽学部ピアノ科卒業。フランス留学後、サティとフランス6人組の音楽に出会い、1999年、プーランク生誕100周年記念コンサートを主催。現在、リサイタルを中心に、サロン・コンサート、NHK‐FM「名曲リサイタル」出演など、さまざまなかたちでサティとフランス6人組の音楽を紹介するほか、詩人の藤富保男氏と、ピアノと詩の朗読による「詩を奏でる」を各地で公演。2002年、CD「café des six」、2006年、CD「café Poulenc」を発表。

齋藤歩(フルート、サウンドクリエイター)

国立音楽大学付属高等学校を経て、国立音楽大学フルート専攻を首席で卒業。国立音楽大学卒業演奏会、読売新人演奏会に出演。第5回日本アンサンブルコンクール室内楽部門、優秀演奏者賞受賞。2000年、2005年、2009年にモーツァルト青少年管弦楽団首席奏者としてオーストリア公演に参加。日本モーツァルト青少年管弦楽団、モーツァルト・カンマー・オーケストラ首席フルート奏者。現在はExtasyBoxのフルート奏者として活躍。またDTMによる楽曲製作など幅広く活動中。

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